2003年,全国の高等学校で教科「情報」がはじまりました。当時,新設の教科であるため,その指導法の研究,知見の共有が急務でした。そこでその前年にあたる2002年,情報学教育研究会の前身となる情報科教育法研究会を発足しました。その後,「文理融合」,「初等中等教育一貫したカリキュラム」の実現を目指し,情報学教育研究会として2009年に再発足するに至りました。
本研究会はおもに内容論に特化する研究会として活動してきました。しかし,ひとり1台のタブレット型PCをはじめとする教育環境の急激なICT化により,従来の教室ではまるで異なる指導法が実現できるようになりました。そこで2021年,姉妹関係にある方法論に特化した教育情報化推進研究会を本研究会に統合し,内容論,方法論の両側面から情報学教育のさらなる充実,深化を図ることにしました。
社会の情報化がますます進んでいく中で,身の回りのICT環境においてもますます発展,高度化していくことで,周辺環境は今後も目まぐるしく変化を続けていくことになろうと思います。われわれは,そうした変化に則した教育のあり方とその方法の研究を続けるとともに,根幹を成す普遍的な部分を見いだし,たとえ変化したとしてもそれに順応でき得る教育大系を構築することが社会に対する使命であると考えています。
情報学教育,また,本研究会の活動に際し,みなさまのご理解とご協力のほど,よろしくお願いいたします。
横山成彦 代表 略歴
大阪学院大学高等学校 情報管理室 室長,株式会社SFC。情報学教育研究会や情報学教育研究会と統合した教育情報化推進研究会で事務局長などを務める。2022年より代表。