みなさん,こんにちは。
2021年度の「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」(文部科学省)によると,学校において教育用として利用しているコンピュータ(教育用PC)のうち,可動式PC(タブレット型PCを含む)1台あたりの児童生徒数は,小学校が1.0人/台,中学校が0.9人/台,高等学校(一部学科をのぞく)が2.1人/台という結果でした。
この結果から,2019年にはじまったGIGAスクール構想の大きな柱のひとつである,ひとり1台端末の実現は,もうまもなく達成されようかという状況になってきました。
こうした状況を見たときに,各学校に置かれた「コンピューター教室」について,その役割を終えたという声が聞かれたりします。
果たして,本当にそれでいいのでしょうか。
むしろ,さらに発展・高度化を推し進め,充実させるべきと考えます。
ひとり1台端末は価格を抑えるべく,スペックを下げた端末が導入されがちです。インターネットで検索したり,情報を整理したりする作業のほか,タブレット端末ならではの写真を撮ったりする作業には向いていますが,そこから発展する作業を行うのには不向きで,校種が上がるごとに操作する内容は高度になりますから「スペック不足」は顕著になります。
やはりそうした作業をするために,高スペックな端末が配備されたコンピューター教室は不可欠です。ひとり1台端末とコンピューター室に配備される端末は,与えられた役割が異なるものと割り切ると,授業中にひとり1台端末がフリーズしたりすることのない,スムーズな授業展開ができようかと思います。
さらに,コンピューター教室の準備室にあたる場所に,デジタル教材を作るためにスキャナなどが周辺機器が整備され,さらに機器の操作方法やデジタル教材の製作の助言を請うICT支援員が常駐していれば,ひとり1台端末配備後の次のフェーズにあたる「利活用」に万全のバックアップ体制を整えることができます。
おそらく,ひとり1台端末の整備方法が変わることがあっても,なくなることはないでしょう。利活用のフェーズに移ると,それを実現するための充実した環境が必要になることは必至です。コンピューター教室は,単なる教室から「教育の情報化」のための拠点へと早期に移行する必要があると考えます。